うちの長男が中学生の時、部活動中に大怪我をした事がありました。
サッカー部に所属していたのですが、練習中にチームメイトと激しく接触して右腕を骨折してしまったのです。
それは手術を伴うほどの大怪我でした。
手術、入院、リハビリと大変な思いをしました。
今回は【実例で紹介】長男が骨折した時の経験から自分が感じたことは?というテーマでお伝えします。
この記事では息子と親の自分がこの困難をどの様に乗り越えたのか?という事について紹介したいと思います。
突然の出来事
今から10年ほど前、うちの長男が中学生だった頃のことです。
部活動がそろそろ終わる時間になり、学校のグラウンドへ車で迎えに行きました。
私の車が駐車場に着くと部活のキャプテンが猛ダッシュで私のところへ走ってくるのが見えました。
彼の顔を見ると何事があった様子・・・。
「た、大変です。たぶん骨折してます。」
「え???」
グラウンドを見ると部員のみんなと顧問の先生が一ヶ所に集まっています。
私が駆け寄るとその中心には、うちの長男が右腕を押さえて横になっていたのです。
顧問の先生が「今、病院に連絡をとってますから。おそらく骨折してるのでとりあえず固定しておかないと・・・。」と応急処置的に腕を板に固定してくれていました。
周りのチームメイトも「大丈夫?」と心配そうです。
「絶対折れてるよ。バキッって音が聞こえたもん」という子もいて、とにかく大変な怪我をしたようです。
私も心臓バクバクで心拍数もかなり上がっているのが自分でも分かるくらいでしたが、落ち着いたふりをして息子に「すぐ病院へ連れて行くからね。」と言いました。
しかし息子は返事もできないほど辛そうで、玉のような大粒の汗をかいていました。
すぐ病院へ

顧問の先生に連絡をとってもらい、その病院へ向かいました。
長男を車に乗せ、腕にあまり響かないように・・・と思って、静かに運転していても少し揺れただけで「うっ・・・」「痛い」と呻き声をあげていました。
相当痛いみたいでしたが、車を走らせない事には病院へは行けません。
「ごめんね・・・もう少しの辛抱だから・・・」と言いながら運転しました。
やっと病院に着いた時、息子は汗だくでとても疲れ切っていました。
早く診てもらって少しでも痛みがなくなって欲しい・・・・と願うばかり。
しかし病院についてもすぐ診察してもらえるわけではありませんでした。
待合室での待ち時間がとても長く感じました。
無言のまま時が過ぎ、やっと診察・・・。
名前を呼ばれた時、少しほっとしたのを覚えています。
全身麻酔での大手術

診察の結果、やはり右腕は骨折していました。
かなりひどい骨折なので固定しておくだけではなかなか治らず、手術が必要との事。
その手術も全身麻酔の手術で家族への説明や同意書、入院の書類などが必要だという事で、本当に「一大事」でした。
そしてその日すぐには手術はできない、という事でそのまま入院となりました。
少し時間が経ち、医師から全身麻酔についての説明があるという事で呼ばれました。
詳しい話を聞くと改めて息子の怪我が大変なものだという事が分かりました。
骨折の状態が複雑なのでボルトを入れて固定しなければならない。
全身麻酔での手術が必要になるだろう・・・という説明でした。
全身麻酔の手術という事は手術中、人工呼吸器をつけるというのです。
つまり手術中は自分での呼吸でなく人工での呼吸になるという事・・・。
それを聞いてめまいがしそうな感じになりました。
「大丈夫だろうか・・・?」「手術は無事に成功するんだろうか・・・?」という不安が次から次へと出てきてしまいます。
でも手術をしないと治らないかもしれない・・・。
結局、全身麻酔での手術をする事になりましたが、本当に心配と不安でいっぱいでした。
そんな中でも心配してオロオロしてばかりもいられません。
入院の準備、書類の記入などしなければならない事はたくさんありました。
何より息子の心の不安を取り除くには・・・親である私が強い気持ちを持って慎重に、冷静にそして少しでも明るく行動しなければなりませんでした。
怪我は一瞬だけど・・・

結果的に手術は無事に成功し、息子はその後数週間入院する事になりました。
手術自体は全身麻酔で痛みも感じないままで行いましたが、麻酔が切れた時の痛みはかなりの激痛だった様です。
痛み止めの注射を打ってもなかなか効かない様で、いつもは我慢強い長男も一晩中「痛い、痛い・・・」と言っていました。
付き添いの私は痛くない方の手をさすりながら「早く痛みが取れる様に・・・」と祈りながら朝を迎えました。
徐々に痛みも和らいで眠っている息子のそばで自分も眠っていました。
本当に大変な状態をよく乗り切ってくれた・・・。
頑張ったね・・・と息子の寝顔を見て思いました。
手術後はリハビリです。
理学療法士の先生の言う事をよく聞いて根気強くリハビリを続け、回復は順調でした。
怪我をしたのは利き手の右手でしたが、器用な息子は左手でスプーンやフォークを使って上手に食べたり字を書いたりしていました。
とても真面目な子で手術から間もない日から「家からノートと教科書持ってきて」という事で勉強をし始めました。
病院のベッドでは勉強をしたり、リハビリ以外にもどうやったら早く良くなるか・・・を考えて右手の筋力が早く戻る様な運動をしたり、ものすごく努力していました。
あの前向きな姿勢には親の私もとても感銘を受けました。
息子の病室には家族はもちろんの事、大勢の同級生や先生方がお見舞いに来てくれて息子も嬉しそうにしていました。
今回の大怪我で息子は身体的にとても痛い思いをしましたが、そこから感じた事、学んだ事はたくさんあった様です。
友達や先生方の優しさ、普段当たり前の日々を過ごせる事の尊さ・・・。
私自身も親として、大変な状況でも気持ちを強く持って行動するという事を経験し、親子で一大事を乗り越えられた事が本当に貴重な経験となっています。
「あんなに大変な事態を乗り切れたんだから少々のことは乗り切れる」という気持ちです。
出来ることなら怪我をしないで済めばよかったのですが、起こってしまった事は仕方がありません。
まずその事実を受け止め、その後どの様に対処していくべきかを考える事が大切だと私は思います。
今回の件で何が起こったとしても、自分の気持ちに向き合って、自分の納得がいく未来に向かっているのかどうかを考えて行動するという事を学びました。
あの大怪我から10年たった現在、長男は日々仕事をしながら自分一人で生活するまでに成長しました。
あの時はどうなることか・・・と思いましたが、こうして平和に過ごせている事に感謝しています。
以上、今回は長男が大怪我をした時の様子をお伝えしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、今日もよい1日を!
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